小林よしのりの
大東亜論を今読んでいる
話の途中、「共同体が破壊された結果、ニートが増えた。ニートは愛されないので中国や韓国を排除したがる排外主義者になる」というような記述があった
んー、ちょっとそれは論理が飛躍しすぎてないか?
まず「共同体が破壊されたらニートになる」のか?
ニートのなかには就職活動を頑張ってるのに脱却できない人も大勢いる
俺みたいな「就職する気すらないニート」はかなりの少数派
仕事をしてたら共同体からはみ出てなくて、仕事をしてたら共同体に所属してるって極端な指摘じゃないか?
ニートに恋人や友人がいるのも別に少数ってわけではないし、仕事をしていても協調性がない人はゴマンといる
ニートは愛されていないのか?
愛されてなかったら無収入で生活できないんじゃないかな…
生活保護受けてニートできてる若者ってそんなにいるか?
ほとんど門前払いでしょ
ニートになると排外主義になるのか?
「生活保護もらってニートしてる」のは老人が大半
でも排外デモを起こしてるのは若者ニート(らしい)
デモを起こす気力がある若者なら、就活だってしてるだろ
コミュ障ニートは家から出ないわけだし
しかもその次のページに出て来た、「排外主義ニート」の例が月収16万20代女性の派遣社員
ニートじゃねえじゃん正社員がそんなに偉いのか?
その女は「国防軍の創設を提唱しているのだが『彼氏が軍隊に行くのは困る』と言っていた。何も考えてない」とあたかも矛盾を突いてるような指摘をした
国防軍の創設と徴兵制って同時に成り立たないのか?
おかしくね?
いろいろ疑問が噴出したのでちょっと読む気が失せて休憩した
頭山満の伝記部分は面白いんだけどなあ…
最近のよしりん、感情的になりすぎててなんかおかしい気がする
もともといい意味での正義感の激情家だったんだが、それが最近暴走してる
AKBにも暴走してるけど(笑)
昔、父と話してた時に「最近の若者は軟弱者が多い。だから徴兵制で根性を叩き直さないといけない」と言っていた
反論したら面倒なことになるので俺は黙ってた(笑)
この時点で十分屁理屈だもん
まず、徴兵制というのは国防の機関であって
教育の機関ではない「うちの子、根性ないんで兵隊にしてくださいー」って親が自衛隊に子供の所属を希望してる姿を見たらどう思う?
「情けない親だ!子供のしつけは家庭でするものであって軍隊でするもんじゃない!国に押し付けるな!」と憤慨するのが普通の人
そんな親の意見は「根性がないんで我が子を刑務所に入れてやってください!」って主張と同レベル
次に、「徴兵制が施行されると本当に根性が叩き直されるのか?」という疑問
支那は軍隊を有しているが、小林よしのりの指摘によると「一人っ子政策の結果、小皇帝と呼ばれる甘やかされる男が増えた。1時間の行進にも耐えられず倒れる。親は過保護にも子供の訓練を見守っていて、子供が倒れるとすぐに駆け付ける」というような指摘をしていた
極端な例ではあるものの、「軍隊に所属するからといって、根性が直される」と断言するのは難しい
あの防衛大の学生ですら、入学式が始まる前から「辞めたい!この学校辞めたい!」ってうめき声が聞こえ始めるという
そして卒業までにかなりの離隊者が出るという…
根性直る前に脱走するのが関の山だと思うんだが
戦争中の神風特攻隊ですら、敵前逃亡する兵士が日本にいたんだぞ?
誤解を招くようだが、逃げ出した神風特攻隊員が根性無しだと言うつもりはない
「確実な死」が急に怖くなって逃げ出すのは生物としてごくごく当たり前な行動
最後に「根性なしが国防という国の根幹に携わる仕事に就く」という問題点
国のために命を賭けられない、人を殺せない人間が足を引っ張ることで軍隊の質は確実に低下する
「子供のために!」という親は、「日本の国防より我が家の方が大事だ!」と言ってるのと同じ
国なくして家庭なし
まさしく本末転倒な物言いである
そもそも、「根性がある」ってそんなにいいことなのか?
ただの精神論で論理的な説明がまったくなされていない
戦は長期戦は厳禁だから、むしろ短期で決着をつける根性なしの方が重宝されると思うんだが
もちろん、長期戦を嫌うだけのせっかちな事は将として重大な欠陥だがねw
田母神が「男は女性を守るもの。徴兵制の復活を!」と言ってるらしいが、それもどうかと思う
まずその考えが男女差別的
男に徴兵が行われるなら女も徴兵すべき
「女は守られるもの」と断言するのは、今現在日本を守るために頑張ってる女性自衛官に失礼というもの
次に「何かを守る」という気持ちは周りから押し付けられるものじゃない
男が女を守るという思想は確かに美徳ではある
だが国や女を守る気が無い男が本当に女を守れるのか?
それこそ敵前逃亡するわ(笑)
侵略を前提としないのであれば、軍隊は少数精鋭で十分
なぜなら、戦争で一番問題になるのは「どう守るか?」ではなく「どう攻めるか?」だからだ
守りは攻めよりは簡単で、労力も少ないのだよ
孫子も「上兵は謀を伐つ。其の次は交を伐つ。其の次は兵を伐つ。其の下は城を攻む」と言っている
訳すると
最善といわれる戦いは戦闘以前に敵を無力化することである。次は敵の同盟関係を解消し、孤立化させることである。次は戦闘を起こし、敵兵を討つことである。最悪なのは敵の本拠地を攻めることだとなる
西郷隆盛は無血開城を成し遂げたが、それができたから名将なのである
「戦わずして勝つ」、これが戦の真髄だというのに一般人は誤解している
孫子も「真の名将とは知将と言われず、勇者と称えられることもない」と述べている
この誤解は国や時代を問わないものなんだろうね
孫子の主張を見る限り、兵が出てくる幕は下の策である
兵隊を育成するよりも、情報戦が鍵を握る
まして今や情報社会であり、「情報を制する者はすべてを制す」と言っても過言ではない
情報戦でカタをつける自衛だけの戦争なら、軍事費なんてさして必要ない
戦闘員も優秀な人物が少数でいい
西郷隆盛はこの事を熟知していたから「徴兵制はいらない。軍費は必要最小限にし、少数精鋭の軍隊を持つべきだ」と言っているのだ
そして俺もそれに同意見
まず第一に徴兵制は軍費がかさむ
人件費や兵器の調達はもちろんのこと、食料の問題が大きい
戦時中の食糧問題に対し、「食料の調達をきちんと行わない国は負ける」と孫子も指摘している
大東亜戦中の日本には耳が痛い話だね
それにマラリアで全滅した経緯が過去の日本にあるし、多く兵を出すとその分医療費もかさむ
軍隊というのは本当に金がかかる
徴兵制を行うと必ず増税する
これは断言する
ただでさえ重税で疲弊している国民が多いなか、これ以上の大幅な増税は愚の骨頂
第二に軍隊の一番の敵は実は敵兵ではない
無能な味方だ
無理矢理連れだされ、嫌々戦わせられる兵は必ず軍全体の士気を低下させる
特に今の日本は金や地位のためだけに上に登る人間が多い
戦争になったらそういう人間が指揮を執るのだ
いくら数学や物理や化学、英語ができようとそんなの戦の役になんか立ちやしない
必敗は確定
それにそんな上司のために命を張る兵隊なんて出て来やしない
無能な上司に「死ね」と命令されるのと、心から尊敬できるような有能な上司に「死ね」と命令されるのとでは重みが全く違う
もう一度言う、戦の一番の敵は敵兵ではなく
無能な味方である
第三に男女平等が是とされる社会だ
この時代に男だけを徴兵するのは無理がある
戦前であれば、男に徴兵制を負わせた見返りとして選挙権を持たせたものだ
社会の教科書では「選挙権が男にしかなかったのは差別」だと指摘するが、戦前戦時中の男たちは皆あの激動の列強時代に命を賭けて国を護ったのだ
差別というのであれば、あんな危険な時代に男だけ戦わせた事実が差別的じゃないのかね?
なんでそれは全く指摘しないでスルーするの?
「女性に参政権がないのは差別だった」ってどの学校でも指摘してるのにね?
授業受けてて「徴兵は男だけ」に違和感を感じた人はいたか?
いないだろうな、日本は考える教育が行われていないから
ちなみに天才の俺は感じた(笑)
国の東西を問わず、命を賭けて国を護る者が政治を執り行うのは至って普通の行い
日本は江戸時代まで武士が政権を握っていた
西洋でも貴族は「兵役の義務」を負う代わりに「選挙権」を持っていた
平民の左翼は「貴族にしか戦争をさせないのは差別だ!」と主張していたものだ
今の日本は国民主権とやらで、女性だけに参政権を持たせないとは考えにくい
だとすれば男性にだけ「国のために命を捨てる」という新しい義務を負わせるのは差別である
女性も徴兵するとなると田母神が言う「男は女性を守るべき!」という主張と矛盾が生じる
以上が俺の考え
これでも徴兵制を行うというのなら利得が絡んでるとしか思えないのよね
「死の商人」という言葉があるように、戦争は儲かるからね
もちろん、なかには考えなしに「国民は国を護るべき!」「男は女を護るべき!」って美徳だけで主張する人も多いんだろうけど
てか、「女を守る=男が戦争に行く」って論理思考がまず理解不能
戦争以外じゃ女は守れないし、守ったことにならないものなの?
結んで!